MAMORUGUMI COLUMN
制服の内側に、
いくつもの人生がある。
ただものではない警備員たち

警備員と聞いて、多くの人はどのような姿を思い浮かべるだろう。
道路工事のそばで誘導灯を振る人。商業施設の駐車場で車を案内する人。建物の入口や巡回先で、異常がないかを確認する人。
もちろん、それらはすべて大切な仕事である。しかし、制服を着て現場に立つ一人ひとりの人生まで想像する人は、決して多くない。
富士警備保障には、制服を脱ぐと驚くような顔を持つ隊員たちがいる。
人の最期に立ち会い、腐敗や壊死、そして生命を描く。
トランペットを奏で、ドローンを駆使して空から風景を捉える。
英語で人とつながり、仲間と呼吸を合わせて音を奏でる。
ART & LIFE
01命の終わりを知る人が、
命の気配を描く。
納棺師として人の死と向き合う画家の作品には、一度見たら簡単には忘れられない力がある。
描かれているのは、単純な美しさだけではない。崩れていく肉体、腐敗、壊死、無数の眼、絡み合う植物や細胞のような形。それらが極彩色のなかで膨張し、溶け合い、再び別の生命へと姿を変えていく。
一見すると不気味でありながら、目を離すことができない。そこにあるのは、死への恐怖だけではない。命が終わること、形あるものが崩れること、そして崩れたものが次の何かへつながっていくこと。その循環を、真正面から見つめるまなざしである。
納棺師は、ご遺族にとってかけがえのない人の最期を整える仕事だ。わずかな表情の変化を読み、言葉にならない悲しみに寄り添い、その場にふさわしい所作を選ばなければならない。
警備もまた、周囲の変化を読み取る仕事である。車の速度、歩行者の視線、現場の空気、いつもと違う音。事故や異常は、起きる前に小さな兆候を見せることがある。それを見逃さないためには、マニュアルだけでは足りない。人を見る力と、空気を感じる力が必要になる。
命の重さを知る者が、安全を守る場所に立つ。




MUSIC & PHOTOGRAPHY
02地上に立ちながら、
空から現場を見る。
トランペット奏者であり、写真家でもある隊員は、地上だけでなく空からも世界を見る。
カメラに収められた山、海、花、鳥、夕日。ドローンから撮影された景色には、普段歩いている場所とはまったく違う表情が現れる。地上では見えなかった道のつながりや地形の広がり、人や車の流れまでもが、一つの画面のなかに浮かび上がる。
写真には、ただ記録するだけではなく、「どこを見るか」という撮影者の判断が表れる。警備の現場でも同じである。
目の前の車だけを見ていては、十分な誘導はできない。後方から接近する車両、反対側の誘導員、歩道を進む自転車、工事車両の動き、現場全体の流れまで捉える必要がある。いわば、地上に立ちながら頭のなかではドローンのように現場を俯瞰する。それが優れた警備員の視点である。
さらに、トランペットには呼吸とタイミングが欠かせない。自分の音だけを鳴らすのではなく、周囲の音を聴き、入る瞬間を見極め、全体の調和をつくる。
交通誘導も、合図を大きく出せばよいというものではない。相手がこちらを認識したかを確認し、安全に止まれる距離を読み、反対側の隊員と連携して車両を流す。早過ぎても、遅過ぎてもいけない。一瞬の判断が、現場の安全と流れを左右する。そこには演奏とよく似た、間の感覚がある。

LANGUAGE & ENSEMBLE
03言葉と音で、
人との間に橋を架ける。
そして、英語を話すクラリネット奏者。クラリネットは、息を音へ変える繊細な楽器である。美しい旋律を奏でるためには、自分の感覚だけでなく、指揮者や共演者の動きに注意を払い、音程、強弱、呼吸を合わせなければならない。
警備の仕事もまた、一人で完結するものではない。無線から聞こえる短い言葉、遠くにいる仲間の合図、運転者の表情、歩行者の戸惑い。その一つひとつを受け取り、自分の動きを調整する。複数の隊員が呼吸を合わせて初めて、現場全体の安全が成立する。
語学力も大きな武器になる。外国人観光客や海外出身の方と接する場面では、ほんの一言でも相手の分かる言葉で案内できれば、不安を安心へ変えることができる。言葉が通じるということは、単なる便利さではない。「あなたのことを理解しようとしています」という意思表示でもある。
THE PERSON INSIDE THE UNIFORM
多様な人生が、
警備を強くする。
芸術や音楽は、警備業務とは無関係に見えるかもしれない。しかし、本当にそうだろうか。
画家は、他の人が見過ごすものを見る。写真家は、全体の構図を捉える。ドローン操縦者は、地上と上空の両方から状況を読む。演奏家は、呼吸とタイミングを合わせる。語学を身につけた者は、異なる背景を持つ人との間に橋を架ける。
それらはすべて、人を見て、周囲を感じ、状況に応じて自分の行動を変える力である。そして、その力は警備の現場でも確実に生きている。
警備員は、制服を着た瞬間に、それまでの人生を置いてくるわけではない。過去の仕事、趣味、特技、成功、挫折、積み重ねてきた経験。そのすべてを制服の内側に持ったまま、現場に立っている。
だから、同じ制服を着ていても、同じ人間は一人もいない。ある者は人の心に寄り添い、ある者は誰より早く危険の兆候を見つける。ある者は場の空気を和らげ、ある者は仲間の呼吸を整える。それぞれの個性が重なることで、教本だけではつくれない、しなやかで強い警備が生まれる。
富士警備保障が大切にしたいのは、隊員を単なる「配置人数」として見ないことである。一人工という数字の向こう側には、一人分の人生がある。
警備経験の長さだけで人を測るのではなく、その人が何を経験し、何を愛し、何を磨いてきたのかを見る。その個性を現場で生かせる会社でありたい。
MAMORUGUMI
あなたの経験も、
誰かを守る力になる。
富士警備保障は、一人ひとりの個性と歩んできた人生を大切にします。
